2021-10-22

「迷宮」

絵画の世界には、写実、具象という見る者が何を描いているかということがわかる世界と、
作家がなんらかな対象物を描きながら、段々と形を変え、
作家以外には何を描いているのかがわからない抽象的な作品も存在する。
また描く者の心象を姿にしていく場合作家すら何なのかがわからない場合もある。

「Vision/翳」F10
アクリル下地、アクリルスクラッチ、スクラッチ表現にペインティングナイフ押さえ
その上に油彩
金箔

目の前にある作品をなんらかな世界に理解しようとすれども不可能な場合もある
作家自身が混沌としてしか見えない場合もある。

「Vision/胤」F4
アクリル下地、アクリルスクラッチ、ペインティングナイフ押さえ、油彩
岩絵具、金箔

描くことで、描く世界へ踏み入れ作家自身が混沌とした世界に足を踏み入れている場合もある。
迷宮に迷い込み抜け出せない場合もありうる。

「Vision/韻」F4
アクリル下地、アクリルスクラッチ、油彩、銀箔、岩絵具

visionの陽もしくは晴の世界はわかりやすくまた説明もしやすい
visionの陰翳の世界は
作家の心象でも明確に見え辛い空間を描いている。
内向きで光の届かない世界に何があるのか
作家にも判らない

「Vision/隠」F10
アクリル下地、アクリルスクラッチ、油彩、銀箔

そのような世界を描いていて4枚が出来上がり
続いて4枚の下地があるので続いて描いていく
一時はこのシリーズを追いかけていく予定

作家の思索の模様が姿になって現れていく世界
作家にとっての迷宮は、見る側にとっても迷宮だろう。

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